日本臨床外科学会雑誌
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症例
オラパリブが7年著効しリスク低減卵管卵巣切除術を行った再発乳癌の1例
中山 紗由香長島 稔増田 紘子明石 定子林 直輝中村 清吾
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2025 年 86 巻 7 号 p. 901-906

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抄録

BRCA病的バリアントを有する乳癌既発症者に対し,リスク低減卵管卵巣摘出術(RRSO)およびリスク低減乳房切除術(RRM)はそれぞれ癌発症リスク低減効果が認められ,2020年に本邦で保険収載された.一般的にリスク低減手術は原発性乳癌手術時または術後経過観察中に実施される.一方で,転移再発乳癌に対するRRSOおよびRRMの効果は不明である.2018年に本邦でオラパリブが承認されたことによりBRCA病的バリアントを有する転移再発乳癌の予後改善が期待され,長期奏効が得られる症例も存在する.しかし,オラパリブの適格症例は少なく,長期投与や長期奏効時のRRSO・RRMに関する症例報告はいまだ少ない.当院でオラパリブ投与により長期完全奏効が得られた症例に対し,RRSOとRRMを施行した経験を報告する.症例は現在まで9年4カ月オラパリブ投与を継続しており,われわれの知る限り世界最長症例である.

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