日本臨床外科学会雑誌
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症例
病理学的完全奏効に至った小腸間膜リンパ節転移を伴う直腸癌穿孔の1例
多田 章太, 坂口 充弘, 大倉 康生, 岩佐 真
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2025 年 86 巻 9 号 p. 1224-1229

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抄録

症例は54歳,男性.以前より健診で便潜血陽性を指摘されていたが医療機関を受診せず,今回下痢や体重減少を主訴に受診した.精査の結果,直腸癌穿孔(高分化型管状腺癌,RAS陰性,BRAF陰性,MSI-low),回腸浸潤,十二指腸水平脚近傍や回結腸動脈周囲へのリンパ節転移,骨盤部膿瘍形成を認めた.横行結腸人工肛門を造設し,切除不能大腸癌に対する化学療法としてmFOLFOX6+panitumumab療法を開始した.化学療法の結果,原発巣の縮小と遠隔リンパ節転移の縮小を認めた.16コース終了後のCTでR0切除可能と判断し,開腹低位前方切除+浸潤部の回腸と転移を疑うリンパ節を含めた回盲部合併切除を施行した.病理検査では直腸と回腸に癌の残存は認めなかった.また,リンパ節転移も認めず,組織学的治療効果判定Grade 3であり病理学的完全奏効であった.二次的リンパ節転移を伴う直腸癌穿孔例に対し,mFOLFOX6+Pmab療法によって病理学的完全奏効に至った1例を経験したので報告する.

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