2026 年 87 巻 1 号 p. 33-39
神経線維腫症1型(NF1)は皮膚・骨・神経等に多彩な症候を呈し,脳脊髄や消化管,副腎等に悪性腫瘍を合併する遺伝性疾患である.近年,NF1合併乳癌の報告が散見され,当院でも2例経験したため報告する.症例1は42歳,女性.乳癌検診で石灰化病変を指摘され,精査で右の非浸潤性乳管癌の診断となった.右乳房切除術とセンチネルリンパ節生検を施行し,術後ホルモン療法中である.症例2は55歳,女性.腫瘤の自覚で前医を受診し,精査で右乳腺化生癌,トリプルネガティブタイプ,cT4bN1M0 stage IIIBの診断となった.術前化学療法中に皮膚浸潤の増大を認め手術の方針となり,右乳房切除術,腋窩郭清術(Level 2),皮膚移植術を施行した.NF1合併乳癌は一般集団と比較し若年発症で予後が悪いため,特に若年のNF1患者にはMRIを含めた定期検査を行うことで,早期発見と予後の改善につながると考えられる.