2026 年 87 巻 1 号 p. 46-50
症例は41歳,女性.当初,子宮筋腫合併妊娠の診断であり,8cm大の子宮筋腫として経過観察されていた.妊娠中の経過に問題はなく,経腟分娩に至った.分娩後に筋腫の増大,炎症反応高値および腹痛を認めたため当院を受診した.変性子宮筋腫の感染を疑い,保存的治療は困難であると判断し,開腹手術を行った.術中所見でS状結腸間膜原発の腫瘍と判明し,S状結腸の合併切除を伴う腸間膜腫瘍切除術を行った.病理組織学的検査では免疫染色にてSMA弱陽性,desmin・caldesmon陽性.c-kit・DOG1・myogeninは陰性であり,S状結腸間膜平滑筋肉腫と診断した.術後経過は良好で,術後第9病日に退院した.MIB-1標識率は90%以上で,悪性度は高いと判断し,術後補助化学療法を施行する方針となり,ifosfamide/adriamycinを4コース投与した.補助化学療法終了後は慎重な経過観察をしており,術後9カ月現在,無再発である.