日本臨床外科学会雑誌
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症例
乳房切除後に生じたchronic expanding hematomaの1例
工藤 千晶, 木村 愛彦
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2026 年 87 巻 3 号 p. 297-301

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抄録

乳癌術後にchronic expanding hematoma (CEH)を形成した1例を経験した.症例は78歳,女性.左乳癌に対して乳房全切除術,センチネルリンパ節生検術を施行後,術後17週に創部の腫脹を認めた.穿刺でわずかな凝血を吸引したが縮小せず,自然吸収を期待して経過観察としたが,緩徐に増大傾向にあった.発症41カ月後に腫瘤摘出術を行い,病理組織学的にCEHと診断された.CEHは手術や外傷を契機に1カ月以上の経過で増大する血腫と定義されており,乳腺外科領域では稀な疾患である.治療には被膜を含めた完全切除が有効とされる.乳癌術後に新たな腫瘤を認めた際にはCEHを鑑別に挙げ,的確な診断と治療方針の選択が重要である.

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