日本臨床外科学会雑誌
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症例
肝切除で判明したNDM-1産生大腸菌を保菌した多発肝内結石症の1例
原 知里, 北東 大督, 松本 弥生, 中川 顕志
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2026 年 87 巻 4 号 p. 459-465

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抄録

New Delhi metallo-β-lactamase-1(以下,NDM-1と略記)は2009年に発見された酵素で,カルバペネム系を含む多くの抗菌薬に耐性をもたらす.NDM-1は日和見感染菌に限らず,大腸菌や肺炎桿菌などの強毒菌にも発現することが問題である.NDM-1産生菌はインド周辺地域で蔓延し,同地域への旅行者からも検出されており,公衆衛生上の大きな問題となっている.本邦では2009年にインドからの帰国者から初めて検出された.われわれは,多発肝内結石を有する在日ネパール人患者に肝左葉切除術を施行し,術後に難治性の腹腔内膿瘍を併発した症例を経験した.本症例は胆汁中にNDM-1産生大腸菌を保菌しており,腹腔内膿瘍の起因菌となっていた.NDM-1産生大腸菌は多剤耐性を有しており,ドレナージと洗浄を中心に加療を行い,約2カ月で治癒を得た.稀なNDM-1産生大腸菌を保菌した症例の周術期管理を経験したので報告する.

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