日本食品科学工学会大会講演要旨集
Online ISSN : 2759-3843
第72回 (2025)
セッションID: 3Ep01
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[3Ep01-11] 衛生、殺菌、抗菌
高タンパク液状食品のパルス電界殺菌の連続処理
*田尻 隼人, 森山 士, 勝木 淳, 増田 直也, 清水 喜治, 磯部 和宏, 梶原 大河, 笹原 亮, 栗原 二郎
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抄録

【目的】高タンパク液状食品の加熱殺菌ではタンパク質の変性やビタミンの減少など,食品本来の機能が損なわれる.高電界パルス(PEF)殺菌は非加熱的な物理殺菌法であり,高品質な食品製造を可能にする技術である.しかしながら,一定以上の流量でPEF処理をすると,電極の焦付きや電極間スパーク放電など,電極間を流れる液体の速度分布に起因する諸現象が顕在化する.このため,牛乳や液卵などの熱変性しやすい食品の大流量処理は難しく,研究例はあるものの産業に適うレベルに達していない.筆者らは,上述の速度分布に起因する諸問題を解決する,共線-電界集中型PEF処理槽を開発した.本研究において,この処理槽を用いて,牛乳を流量10 L/hで連続的にPEF殺菌処理が可能であることを実証する.

【方法】大流量化を可能にするためのカギはPEF処理槽である.筆者らが開発した,共線型-電界集中型の処理槽は,基本的に,エネルギー供給のインターフェースである電極と菌にストレスを与える高電界部を空間的に分離することによって,電極表面の電界を小さくする構造である.COMSOL Multiphysics®を用いて,電気,流体,伝熱理論を含む統合物理計算を行い,これを基に処理槽を設計した.この処理槽を用いて,液卵の長時間処理,およびサルモネラ菌の代替菌としてEnterobacter hormaecheiを接種した液卵の殺菌試験を行った.

【結果】共線型-電界集中型処理槽を用いたPEF処理とその前後の液温調整によって,殺菌牛乳中のListeria innocua菌(107個/mL)を滅菌した.この時の電界は26 kV/cm,保温温度60℃で,投入エネルギーは133 kJ/kgであった.また,上の殺菌条件で1時間の連続運転を故障なく実施できた.その直後に処理槽を解体して電極表面を目視したところ,焦付きはおろか牛乳成分の付着や電極損傷も確認されなかった.以上から、構築した殺菌プロセスによって牛乳の連続殺菌処理が可能であることが示された.

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