1981 年 31 巻 1 号 p. 34-41
施灸刺激による治療効果の作用機序を解明する目的で, 1回施灸刺激の生体防御機構に及ぼす影響, 特に異物貪食能について検索した。動物は正常ddY系, ICR系雄性マウス (5週令) を用い, 総艾重量5mg, 15mg/body を期門穴相当部位へ施灸し, 一定時間後カーボンクリアランステストを行い, 以下の結果を得た。ddY系マウスでは艾量5mg/body 施灸後3hでK値およびα値が上昇し, また15mg/body 施灸後3h, 24hでK値の上昇が認められた。ICR系マウスでは艾量15mg/body 施灸後3hでα値の上昇, 120hでK値, α値共に上昇した。以上の結果より施灸刺激によるマウス貪食能の亢進傾向を認めた。