全日本鍼灸学会雑誌
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針のアノードおよびカソード挙動 第1報
ステンレス針の場合
中崎 正夫
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1982 年 31 巻 3 号 p. 217-222

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抄録

鍼治療および麻酔に使用されるステンレス針の折針事故は大きい問題であって, 原因の解明とその対策が要望される。著者は人体条件のシュミレーションとして37℃に保持したリンゲル液を用い, ステンレスを陽極および陰極として通電し折針現象を再現してその原因を深く研究しようとした。
研究の方法は, 陰陽両極を顕微鏡で観察し, X線回折法によって結晶状態を調査し, 更にX線マイクロアナライザーを用いて成分元素の変化状況を調べ, 最後に機械試験で引張り強度を測定した。これらの研究の結果, 陽極には著しいアノード溶解が起き陰極には“水素化物”が生成され硬脆化することが明らかになった。

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