1982 年 32 巻 1 号 p. 14-19
生体防御機構の一環である血液凝固線溶能に及ぼす1回施灸刺激の影響について検索した。実験には ddY 系雄性6週令マウスを用いた。総支量15mg/bodyを期門穴相当部位へ施灸した後1, 3, 24, 48, 72, および168時間 (7日) にわたり血液凝固能 (TEG, PRCT, PT, PTT), 線溶能 (ELT), ヘパプラスチンテスト (HPT) ならびにヘマトクリット (Ht) について検索した。凝固系では施灸後1, 3時間に, 線溶系ではそれにやや遅れて3時間以降に短縮傾向を認めた。これらの変化は ELT 以外, 生理的動揺範囲域内において認められた。