前報に続き施灸後の免疫賦活作用の機序の解明のため抗原としてT細胞依存性の DNP-KLH, T細胞非依存性の DNP-Ficoll を用い, 電子灸の施灸を一定期間受けた Wistar ラットについて, 二次免疫後4日目の脾細胞DNP抗体産生細胞数につき検討した。結果, 施灸を実験前日まで9週余り行うと, 非施灸群あるいは抗原感作前に4週間施灸した群に比べ, DNP-KLH に対し著明な抗体産生細胞数の増加を認めた。しかし DNP-Ficoll では施灸による増強はなかった。施灸の免疫賦活作用を得るために要する期間について感作時まで4週行ったが対照群と有意差なく, 免疫増強効果を期待するには4週以上の長期にわたり施灸する必要のあること, その作用はT細胞機能の活性化を介し, 直接抗体産生細胞やB細胞に作用しない。