抄録
坐骨神経痛を主症状とする代表的な整形外科的疼痛疾患である腰部椎間板ヘルニヤ47例を, 鍼単独治療29例と, 最初から鍼治療と別の保存的治療とを併用した18例との2群に分け, 比較検討した。鍼単独治療により, 72.4%に, また保存的治療併用では83.3%に, それぞれ治療効果を得た。発症後鍼治療開始までの期間の短い, 比較的新鮮例ほど, 鍼治療の効果が良く, 陳旧例ほど, 鍼単独治療よりも保存的治療を併用した方が結果はよかった。鍼治療により, 坐骨神経伸展試験の改善率は高いが, 一方, 腱反射異常や知覚障害の改善率は低かった。鍼治療の効果があまりみとめられず, 髄核摘出術を行った9例の手術所見から, 鍼治療の適応にある程度の限界が示唆された。