全日本鍼灸学会雑誌
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経絡・経穴の電気生理学的特性に関する研究 (1)
前田 繁男無敵 剛介
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1991 年 41 巻 3 号 p. 289-294

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抄録

経絡・経穴の特質を知ることは東洋医学的診断・治療に重要である。経絡・経穴に関しては電磁気学と関連が深い要素があり, 電気を利用した経絡・経穴治療, 診断法の開発がされてきた。我々は大腸経を例に鍼通電刺激中の経穴間に流れる電流の測定を行い経絡・経穴の電気生理学的特性に関し以下のような見解を得た。
(1) 経絡の流注の方向に対して電流の流れる方向が同一か否かにより鍼通電刺激中の経穴間に流れる電流の大きさが異なる場合がある。特にこの差異は経脈の流れに障害があると考えられる病態の場合に顕著であった。
(2) 経穴間を流れる電流波形の特性から経穴に関しては病態によって変化する静電容量的な要素を考える必要があると思われた。

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