1991 年 41 巻 3 号 p. 316-319
筆者らは大阪医大麻酔科に通院する, 頸痛, 頭痛, 五十肩, 腰痛を主訴とする患者に, MD調査表 (Masked Depression, 井上一正ら考案による) を用いて, 主訴である疼痛以外に, どのような随伴する不定愁訴があるか, また男性と女性間でどのような差があるかについて検討した。
腰痛を例にとると, 一般に女性が各種の不定愁訴が少い。とくに男性が女性より多い不定愁訴は「睡眠障害」「胃腸障害」などで,「気が沈みがち」「何かするのも根気がない」「体のことが気になる」といった, 精神的な訴えが非常に多いことが特徴的であった。
一方, 女性の方に多かったのは「頭痛・頭重」である。また, 意外なことに「性欲低下」が圧倒的に女性の方に多かった (男性約30%, 女性50%)。