抄録
頸腕痛の60例について, 外部から検出できる所見を対象に, 原疾患の推定を行った。その結果, 頸椎症脊髄症状は上・下肢の感覚障害, 歩行障害などにより3例, 頸椎症神経根症状はスパーリング・テスト, 頸椎の後屈痛と圧痛などにより27例, 胸郭出口症候群はライト・テスト, モーリー・テストなどにより18例, 頸肩腕症候群は上記疾患の条件をみたさないもの5例が認められ, 未判定が7例あった。以上は確定診断にはならないが, 病態の概要を推測するには役立った。治療成績からみて, 脊髄症状は鍼灸の不適な疾患であり, 神経根症状は鍼灸がある程度適応する病態であり, 胸郭出口症候群は鍼灸の適応疾患と認められた。