抄録
既に鍼刺激実験により刺激直後からの雌家兎胃壁血流の増加を観察したので, 今回は灸刺激の影響を検討した。胃壁血流は水素クリアランス法により30分間隔で7回測定した。灸刺激群 (8羽) は, 第3回目の測定直前に左後肢下腿足三里穴相当部位に半米粒大の有痕灸3壮を行い, 対照群 (6羽) は測定のみとした。その結果, 両群の胃壁血流量は麻酔後の初回に比し2回目には減少を示し, その後も対照群は減少を示したが刺激群は刺激直後の第3回目から第4回目測定時にかけて上昇を示し, その後緩やかな減少に転じたが最終測定時まで高値を維持した。両群の経時的変動の相違は有意であり, 灸刺激による胃壁血管の拡張が示唆された。