1994 年 44 巻 3 号 p. 221-226
ラットの尿管に人工結石を作製し, その直後の体幹および大腿内側部における筋電活動の変化と術後1週間の同一電極を用いた筋の電気刺激による発声閾値を指標とした痛覚閾値を記録・検討した。記録部位は, ヒトの尿管結石において痛覚過敏の認められた内転筋および腹斜筋とした。結石作製直後の急性実験において内転筋・腹斜筋に同側優位の周期的な筋電活動の亢進が認められた。また, 亜慢性実験において, 尿管結石の作製により, 内転筋・腹斜筋に痛覚閾値の低下が認められた。これらの結果は, 実験性尿管結石ラットの局所に筋緊張を伴う痛覚過敏が発生することを示しており, 本実験モデルの今後の圧痛点研究における有用性が示唆された。