1994 年 44 巻 3 号 p. 261-265
我々は過去2回, 高血圧患者に対する予備調査を報告し, (社) 全日本鍼灸学会第9回中部ブロック学術集会において高血圧患者に対する鍼治療の検討と題してコロトコロフ第3音時血圧値に着目し, その結果を報告した。
今回はさらに症例を積み重ね検討を行った結果, WHO血圧分類で境界域領域であった症例に対し, コロトコフ第3音時血圧値を指標にしてみたところ, 100mmHgから110mmHgの間で有意な差が認められた。このように降圧状態に差がみられたということは, 高血圧患者の経過及び予後をみる上で何らかの指標になるものと推察される。