日本臨床麻酔学会誌
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脳・脊髄障害の術中モニタリング
脳虚血モニター NIRS (Near-Infrared Spectroscopy) の利点と限界
安川 毅藤井 智子
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キーワード: NIRS, 脳虚血, 局所脳動脈領域
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2005 年 25 巻 1 号 p. 42-50

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抄録

  手術中や集中治療領域において脳虚血の監視は近年, ますます重要となっている. 頸動脈内膜剥離術や上行・弓部大動脈人工血管置換術は, 術中に一時的に脳血流を遮断あるいは脳灌流を行うので, 脳虚血を監視するために術中モニタリングの工夫が試みられている. そのモニタリングの一つである近赤外分光法 (NIRS) は手技的に計測が簡単であり, 内頸動脈領域など局所脳動脈領域のモニタリングとして有用で, 他のモニターとの組み合わせにより信頼性を増す. しかし椎骨動脈領域を含む全脳のモニタリングには限界があり, 今後の検討が必要である.

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© 2005 日本臨床麻酔学会
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