2005 年 25 巻 1 号 p. 51-59
脳動脈瘤手術症例220例に対して運動誘発電位 (MEP) を用いた脳血流不全のモニタリングを施行した. 刺激は大脳皮質の運動領野を直接電気刺激し, 刺激と対側の母指球筋から筋電図を記録した. 麻酔はプロポフォールを用いた完全静脈麻酔で, ベクロニウムを点滴静注し筋弛緩レベルを一定に保った. 術中MEPに変化を認めなかった193例では, 術後に運動麻痺は認めなかった. 25例で一過性のMEP変化を認め, このうち14例では術後に運動麻痺は認めなかったが11例で一過性の運動麻痺を認めた. 術中MEPが消失し回復しなかった2例で重度の運動麻痺が永続し, 頭部CTにて内包に梗塞巣が出現した.