日本臨床麻酔学会誌
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症例報告
全身麻酔による緊急帝王切開術後に肺水腫を呈した1例
一瀬 麻紀五十嵐 海原今井 美奈熊倉 誠一郎岡崎 敦
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キーワード: 肺水腫, 妊娠中毒症
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2006 年 26 巻 1 号 p. 86-89

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抄録
  緊急帝王切開術後に肺水腫を認めた症例を経験した. 症例は妊娠中毒症, 切迫早産で入院中の妊婦であり, 感染によると思われる突然の発熱と血小板減少を認め, 濃厚血小板とリトドリンが投与された. 血小板輸血後, 全身麻酔下に緊急帝王切開術を施行した. 手術終了後覚醒は良好で, 手術室で抜管した. 次第に患者が呼吸困難を訴え, 経皮的動脈血酸素飽和度は91%と低値を示した. 動脈血酸素分圧は77mmHgであり, 胸部X線写真では肺水腫像を認めた. 再挿管後, ICUに入室し, 呼吸管理を行った. 本症例では妊娠中毒症に感染を合併し, リトドリン投与, 輸血による容量負荷等が複合的に作用して, 肺水腫を生じたと考えられた.
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© 2006 日本臨床麻酔学会
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