日本臨床麻酔学会誌
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術後管理におけるPCAの上手な使い方(第2回)
術後硬膜外PCAの実際
小幡 典彦溝渕 知司
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2010 年 30 巻 5 号 p. 879-891

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抄録
  術後痛対策として硬膜外鎮痛法は非常に効果的な方法であり,最近では術後の鎮痛だけでなく中長期的なアウトカムまで改善する可能性が示されている.硬膜外鎮痛の薬剤投与方法には,単回投与法,持続投与法および自己調節硬膜外投与法(自己調節硬膜外鎮痛 patient-controlled epidural analgesia:PCEA)があるが,PCEAは単回投与や持続投与のみに比べ,鎮痛の質や患者の満足度が高く,さまざまな専用デバイスも開発されたことにより,安全かつ確実に行われるようになっている.使用される薬剤は,局所麻酔薬とオピオイドが主体であり,現在では両者を併用することが一般的である.最も適した薬液の種類,濃度,投与方法などは,議論のある点で今後の更なる検討が必要であるが,硬膜外に投与するおのおのの薬剤の特性を知って使用する必要がある.
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© 2010 日本臨床麻酔学会
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