2012 年 32 巻 3 号 p. 448-460
ペースメーカーは心臓に接触している電極リードを介して心臓に電気刺激を与える装置である.近年ペースメーカーの著しい進歩によりペーシングモードの幅が広がり,また房室順次ペーシングや心拍応答機能によりほぼ生理的心拍動を再現しうるに至っている.ペースメーカー植え込み手術は毎年50,000例を超えている.麻酔科医にとって基本的なペースメーカーの理解は必須である.また術中の突然の徐脈発作に対して一時ペーシングを必要とする症例も存在する.ペースメーカーの原理,構造,基本的なモードについて言及し,日本循環器学会から発表されているガイドライン(2011年改訂版)に基づきペースメーカー植え込み適応を概説する.