日本臨床麻酔学会誌
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講座
痛みに対する薬物療法
村川 和重中野 範神原 政仁福永 智栄恒遠 剛示棚田 大輔
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2013 年 33 巻 4 号 p. 550-555

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抄録

  痛みに対する薬物療法の中心はオピオイド鎮痛薬で,opioid responsivenessの概念に基づく実施が必要であり,鎮痛作用と副作用のバランスの考慮が薬物療法の全般にわたって重要と考えられる.薬物療法の実施にあたっては,その鎮痛作用に応じた薬剤の選択が必要で,その意味ではWHO三段階除痛ラダーを基にすることが標準的と考えられ,痛みの強さに応じた鎮痛薬の選択を考えると,最初に選択される鎮痛薬は,非オピオイド鎮痛薬となる.非オピオイド鎮痛薬には大きく分けて,acetaminophenと非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の2種類があり,作用機序も異なるため,鎮痛作用と副作用の両面を考慮した薬剤の選択が重要で,効果的な痛み治療の実施には,系統的なシステムの構築が必要である.

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© 2013 日本臨床麻酔学会
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