日本臨床麻酔学会誌
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講座
心臓外科手術における凝固テストの活用法
小川 覚
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2016 年 36 巻 2 号 p. 204-211

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抄録
一般に,心臓外科周術期においては血液希釈の影響により凝固障害が発生しやすいが,外科侵襲により上昇したサイトカインを介して凝固反応は活性化もしやすい.ダイナミックに変動する凝固能に対して,各種凝固テストを活用することで,止血異常の治療や血栓性合併症の予防に努める必要がある.人工心肺離脱後には凝固障害に起因した止血困難が問題となるが,中央検査室における各種血漿測定法の検査限界を熟知した上で,日常臨床に活用することが望ましい.近年,全血検体で凝固時間を測定可能なPoint-of-care装置(プロトロンビン時間,フィブリノゲン濃度,トロンボエラストメトリーなど)の利用が,止血管理を中心に心臓外科手術でも行われつつある.最適な止血戦略を構築するにあたっては,各施設で測定可能な止血凝固検査を組み合わせて対応していくことが求められている.
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© 2016 日本臨床麻酔学会
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