2019 年 39 巻 2 号 p. 222-225
棋士の羽生善治氏は,これから起こる現象にリアリティを持たせて受け止めるのが想像力で,それを働かせて何かを具体的に実現させる発想が創造力であると著書に示している.ナビゲーションシステムやロボット工学に想像力を働かせた創造力の産物は,全自動気管挿管システムになる.しかし,技術が進歩してもそれのみでは安全は担保されず,困難気道管理(difficult airway management:DAM)トレーニングが不要とはならない.これからのDAMトレーニングを想像し創造すると,病棟,救急など機材と人材の限られた非計画的医療と,手術室などそれらが十分準備された計画的医療に分けて設計することが必要である.