2019 年 39 巻 3 号 p. 282-286
声門上器具である「ラリンジアルマスク」の登場から約40年が経過した.ビデオ喉頭鏡などのさまざまな気道確保器具が登場しても,声門上器具の最も迅速に気道確保できる利点は現在においても変わりない.英国の手術室,救急室,集中治療室での1年間の麻酔中に発生した合併症を検討した「NAP4 study」の報告以降,誤嚥をできる限り予防する目的にて胃管アクセスが装備されている「第2世代」の声門上器具が推奨されている.手術室以外での気道確保においても声門上器具は迅速に気道確保できる器具として有効である.今後は内視鏡室を含めた手術室外での気道確保にも声門上器具の使用が望まれており,用途に合わせた声門上器具が開発されている.声門上器具は気道確保を行うための重要な器具として今後も進化を続けなければならない.