日本臨床麻酔学会誌
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喘息患者におけるNLA麻酔と吸入麻酔の比較検討
鳥羽 晃子津崎 建藤垣 徹中村 治正柴田 治澄川 耕二
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1992 年 12 巻 7 号 p. 754-758

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抄録
当院では1986年1月から1991年5月までの5年4ヵ月間で,術前に気管支拡張薬の投与を受けていた成人喘息患者60名の全身麻酔を経験した.これらの症例をNLA麻酔群と吸入麻酔群に分け,両群間で術中の喘息発作および循環系合併症の発生頻度を比較検討した.
術中喘息発作の発生頻度はNLA群で17.6%,吸入麻酔群で18.6%と両群間で有意差はなかった.術中循環系合併症はNLA群で5.9%,吸入麻酔群で16.2%であり,NLA群で循環系合併症が少ない傾向がみられた.
以上の結果から,NLA麻酔は喘息に心血管系異常を伴う患者に有用であると考えられる.
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