抄録
冠動脈再建術52症例を対象として,70歳以上(18例:以下O群)と70歳未満(34例:以下Y群)の二群について術前術後合併症,術中循環動態等について比較検討した.冠動脈病変数,主幹部病変の有無,左室躯出率には二群間に有意差はなかった.術前合併症は70歳未満で喫煙歴,肥満,70歳以上で高血圧,閉塞性動脈硬化症が多かった.術中循環動態は高齢者でも安定しており,麻酔管理上特に問題はなかった.術後合併症発生率はO群で87.8%と高く,敗血症,うっ血性心不全等重篤なものが多かった.死亡率は70歳未満で2.9%,70歳以上で16.7%であり,高齢者ではより慎重な術前のリスク検討が必要であると思われた.