抄録
筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis: ALS)は予後不良の疾患であり,特に全身の筋力低下に伴う呼吸抑制や筋弛緩薬への異常反応など麻酔管理上の問題点が多い.今回,65歳のALS患者の右卵巣腫瘤摘出術に脊椎麻酔を施行し,術中術後ともに症状は悪化しなかった.
ALS患者の麻酔管理においては原疾患の状態を十分に把握することが必要である.また患者が脊椎麻酔における危険性と有用性を十分に理解したうえで本麻酔法を行なう承諾が得られるなら,脊椎麻酔は禁忌にはならないと思われた.