茶業研究報告
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クワシロカイガラムシ抵抗性の中生緑茶用新品種‘かなえまる’
佐波 哲次吉田 克志松永 明子荻野 暁子田中 淳一谷口 郁也萬屋 宏山下 修矢根角 厚司
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2021 年 2021 巻 132 号 p. 1-13

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抄録

‘かなえまる’は農研機構金谷茶業研究拠点において,1994年に金F183を種子親に金谷13号を花粉親として交配した実生群から選抜され,2020年2月13日に品種登録出願公表された。‘かなえまる’の概要は以下のとおりである。

1.‘やぶきた’と比べると,一番茶萌芽期は1日遅く,摘採日は1日早い中生品種である。

2.挿し木時の生育はやや不良であるが,圃場定植後の生育は良好である。樹姿はやや開張である。‘やぶきた’と比べると株張りは良く,新芽数が多い。

3.収量は一,二番茶ともに‘やぶきた’より多く,荒茶品質は優れ,特に外観は優れた。被覆栽培においても同様の傾向が認められる。

4.病害虫について‘やぶきた’と比べると,輪斑病の発生は少なく,もち病と炭疽病の発生はやや少ない。赤焼病に対しては抵抗性がない。クワシロカイガラムシの発生は極めて少ない。

5.赤枯れ,青枯れのような寒害は,耐寒性の高い‘さやまかおり’と同等かやや強で,裂傷型凍害はやや強である。

6.‘やぶきた’の栽培が可能な主要茶産地で栽培可能である。

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© 2021 日本茶業学会
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