日本臨床麻酔学会誌
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腹部大動脈瘤症例における連続心拍出量測定装置(CCOM)の有用性
大西 佳彦平田 隆彦内田 整畔 政和
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1995 年 15 巻 3 号 p. 227-232

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抄録

通常のサーモダイリューションカテーテルにサーミスタを組み込むことで血管内血流速度を求め,連続的に心拍出量を測定表示するカテーテルを,腹部大動脈瘤にてグラフト置換術を行なった8症例で使用した。連続心拍出量測定装置におけるデータを通常の熱希釈法と比較検討した。腹部大動脈遮断前はよい相関を示したが,遮断中および遮断解除後の相関は軽度悪化した。この差は肺動脈本幹内でサーミスタ測定部が移動するためと推測された。腹部大動脈瘤症例のように大血管を遮断することにより心拍出量が変化する症例では,肺動脈内でカテーテルを至適部位へ移動させることにより,そして熱希釈法を利用して校正を加えることで,この連続心拍出量測定カテーテルは有用であると考えられた。

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