日本臨床麻酔学会誌
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ソーダライムと携帯型高圧タンクを用いた現地救急医療について
急性高山病を対象として
斎藤 繁嶋田 均福良 治彦西川 光一守田 敏洋藤田 達士
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1995 年 15 巻 3 号 p. 233-237

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抄録

携帯型高圧タンクは高所障害に対する有効な治療器具として現在実地応用されている。しかしながら,現在実際に行なわれている方式では,救助者が足踏みポンプによって換気を長時間継続することが必要であり,救助者の労力を軽減することが課題とされていた。今回われわれは炭酸ガス吸収装置としてソーダライム付きの呼吸回路を応用し,その有効性を実験室,および標高4,000mの高所において確認した。現在のところガモフバッグは高所障害の治療機器としてのみ実地使用されているが,救急高圧酸素治療の対象とされている他の疾患,一酸化炭素中毒症や空気塞栓症についても臨床応用が可能であると考えられ,現地救急医療の効果的な治療機材として有望なものと思われた。

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