体外循環中に異常高血糖を示した1症例を経験した。体外循環開始後に高K血症が認められ,1号開始液(ソリタT1®)を用いてダイアライザーにより血清カリウムの補正を図ったが,使用された開始液中の糖が過剰に負荷されたために,高血糖が発生したものと推察された。血糖値914mg/dlを示した時点で,経頭蓋的脳血流速度ドップラーによる平均血流速度は体外循環前に比べて16cm/sec増加し,血糖値の低下とともに平均血流速度も低下した。血糖値の変動に相関して脳血流速度が変化したことより,高血糖が脳血管に対して影響した可能性もあると思われた。