日本臨床麻酔学会誌
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MRSA感染が疑われた腰椎麻酔後の化膿性腰椎炎の1例
佐藤 公淑熊野 健一久場 良也
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2000 年 20 巻 4 号 p. 233-236

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抄録

腰椎麻酔後にMRSA感染が疑われた化膿性腰椎炎の1例を経験した.症例は63歳の女性.急性虫垂炎の診断の下,腰椎麻酔下に虫垂切除術が行なわれた.術後3日目より腰痛,5日目より39°C台の発熱が出現し,術後10日目には下肢痛も出現した.MRIにてL3-4椎体及び椎間板に浮腫像がみられ,急性化膿性腰椎炎と診断した.広域スペクトルの抗生物質の投与によっても症状は改善せず,術後26日目に硬膜外膿瘍による神経圧迫所見がみられるようになり,椎弓切除術を行なった.術後,再度発熱と下肢痛の増悪があり,MRSAによる感染を疑い,バンコマイシンの使用を開始した.以後,発熱,炎症反応,腰下肢痛は徐々に消退した.

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