日本臨床細胞学会雑誌
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症例
アカントアメーバ角膜炎の 3 例
—角膜擦過細胞診でのアカントアメーバ原虫の同定—
堀越 美枝子石原 力石井 英昭伊古田 勇人山口 由美子柏原 賢治城下 尚村上 正巳
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2008 年 47 巻 1 号 p. 48-52

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抄録
背景 : アカントアメーバ角膜炎 (Acanthamoeba keratitis) はコンタクトレンズ装着者に増加傾向がみられる. 原因は淡水, 土壌等に生息しているアカントアメーバ (Acanthamoeba) の感染によるもので, 角膜擦過細胞診標本にて嚢子 (cyst), 培養検査にて原虫の嚢子 (cyst), 栄養体 (trophozoite) を検出できた 3 例を経験したので報告した.
症例 : 角膜擦過細胞診で原虫の嚢子が確認できた. パパニコロウ染色ではライトグリーンにより嚢子壁が染色され, 内部は茶褐色あるいは不染性であった. PAS 染色では嚢子壁陽性, 嚢子内部は暗赤色を呈していた. ギムザ染色では嚢子壁が青紫色に好染した. また, 培養により得られた塗抹標本に蛍光染色を施し, 蛍光を発するアカントアメーバの嚢子を検出できた.
結論 : アカントアメーバ角膜炎はアカントアメーバ原虫を検出し, 早期に治療することが重要である. 検出方法には病巣擦過物のパーカーインク KOH 法による直接鏡検あるいは培養が代表的な検査方法であるが, 角膜擦過細胞診標本でパパニコロウ染色, PAS 染色, ギムザ染色標本の鏡検によるアカントアメーバ原虫の検出は簡便であり, 早期に治療へ結びつくことができるため, 有用な検査方法である.
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© 2008 公益社団法人 日本臨床細胞学会
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