抄録
背景 : 乳房穿刺細胞診で腺癌とした症例が病理組織診断において microcystic adenxal carcinoma (以下 MAC) の診断を得た症例を経験したので報告する.
症例 : 患者は 86 歳, 女性で左乳房の C 領域に直径 2 cm 大の腫瘍を指摘され, 針穿刺細胞診が行われた. 当センターでの細胞診検査において, 陽性 adenocarcinoma cells と判定された. 摘出検体から, 組織学的には真皮から周囲脂肪組織にかけて, 管状ないし索状に増生する悪性腫瘍組織像を認めた. 乳腺には腫瘍細胞はみられず, 皮膚付属器から発生した MAC と診断された.
結論 : 乳房からの穿刺細胞診で認められる MAC を, 細胞所見から推定することは困難であり, 確定診断には, 臨床所見, 画像所見, 組織学的所見などを併せて総合的に判定する必要がある.