日本臨床細胞学会雑誌
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症例
細胞質内小腺腔 (ICL) が観察された乳腺腺筋上皮腫
石原 明徳河合 美穂小山 英之前田 勝彦中野 洋
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2008 年 47 巻 2 号 p. 131-136

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抄録
背景 : 細胞質内小腺腔 (ICL) は, 乳癌の診断に有用な細胞所見とされているが, 穿刺吸引細胞診で多数の ICL が観察された乳腺腺筋上皮腫の 1 例を報告する.
症例 : 患者は 61 歳, 女性で右乳房 C 領域の腫瘤を訴え来院した. 超音波検査で後方エコーの増強した境界明瞭な低エコー腫瘤がみられた. 腫瘤の FNA では腺上皮細胞と筋上皮細胞とからなる結合性強固な細胞集塊が観察された. 多辺形あるいは紡錘形の筋上皮細胞に核異型, 核内細胞質封入体および細胞質内空胞 (soap bubble 像) が認められ, 腺上皮細胞には核異型と多数の ICL が観察された. 細胞診は悪性の疑いと判定した. 病理組織診断は腺筋上皮腫であった.
結論 : 本例のように腺上皮細胞に ICL や核異型のみられる腺筋上皮腫は乳管癌と鑑別診断が難しく, 診断確定には針生検が必要である.
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© 2008 公益社団法人 日本臨床細胞学会
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