日本臨床細胞学会雑誌
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特集 <子宮内膜細胞診における診断精度向上への新しい挑戦>
子宮内膜細胞診判定基準の検討
吉田 志緒子楠 奈々子石山 功二杉山 田隆男則松 良明清水 恵子塚崎 克己伊藤 良彌長谷川 壽彦
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2008 年 47 巻 3 号 p. 227-235

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抄録

目的 : 子宮内膜細胞診疑陽性判定における診断精度は必ずしも高くはないとされている. 今回その精度向上を目的に, 子宮内膜細胞診の判定基準について検討した.
方法 : 増殖期内膜, Endometrial glandular and stromal breakdown (EGBD), 子宮内膜増殖症 (Endometrial hyperplasia : EH), 子宮内膜異型増殖症 (Atypical endometrial hyperplasia : AEH), 高分化型類内膜腺癌 (Endometrioid adenocarcinoma grade 1 : G1) の合計 70 例を対象とし, 異常細胞集塊占有率, 付随所見出現率, 間質細胞凝集塊出現率を検討した. また疑陽性判定をして病理組織学的診断結果 (組織診断) と不一致であった 97 例の再評価を試みた.
成績 : 各病変の特徴は, EGBD では化生細胞性不整形突出集塊が主体に出現し間質細胞凝集塊も高率に認められた. EH では拡張・分岐集塊が, AEH では拡張・分岐集塊と増殖期類似細胞性不整形突出集塊が主体に出現していた. G1 では増殖期類似細胞性不整形突出集塊と乳頭・管状集塊が主体でさらに付随所見も高率にみられた. 化生細胞性不整形突出集塊を除いた異常細胞集塊の占有率では, 各病変の間に有意差がみられた. 症例の再評価では, 97 例中 67 例 (69.1%) が組織診断と一致した.
結論 : 各病変に出現する特徴的な細胞像の把握およびそれらの数的把握は, 診断精度の向上に有効であることが示唆された.

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© 2008 公益社団法人 日本臨床細胞学会
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