抄録
目的: ThinPrep®法 (TP 法) による尿細胞診の細胞形態学的変化と良性・悪性細胞の特徴について, すり合わせ法 (S 法) 塗抹標本と比較検討した.
方法: TP 法と S 法による尿細胞診 274 例を対象として使用した. TP 法と S 法の診断率を比較し, TP 法による細胞形態学的変化を調べた. また, 良性・悪性細胞の特徴についても比較検討した.
成績: S 法で陰性の 3 例と疑陽性の 2 例は, TP 法でそれぞれ疑陽性と陽性に判定でき, 診断精度が上がった. TP 標本では, 核の平面化, 膨化, 萎縮, 淡染化などの変化がみられ, 良性異型細胞と低異型を示す尿路上皮癌 (UC) 細胞の鑑別に注意する必要がある. UC grade 1 および 2 の核は細胞間で monotonous な形態を示し, 良性異型細胞では多様な形態を取る特徴がみられた.
結論: TP 法の細胞形態的特徴を理解して診断することによって, 診断精度の向上が図ることができた.