抄録
目的: 体腔液細胞診の Papanicolaou 染色標本には, 細胞質がオレンジ G に染まる細胞 (オレンジ G 好性細胞) が認められることがある. 鑑別診断におけるオレンジ G 好性細胞の有用性について検討した.
方法: すでに診断のついている体腔液細胞診検体 115 例の Papanicolaou 染色標本 (悪性中皮腫 24 例, 反応性中皮 53 例, 肺腺癌 25 例, 卵巣漿液性乳頭状腺癌 13 例) を観察し, 標本 1 枚中のオレンジ G 好性細胞の数を疾患間で比較検討した.
成績: オレンジ G 好性細胞を認めた検体は, 悪性中皮腫が 18 例 (75.0%) と有意に多く (p<0.001) , 反応性中皮 2 例 (3.8%) , 肺腺癌 2 例 (8.0%) , 卵巣漿液性乳頭状腺癌 3 例 (23.1%) であった. また, この細胞を 5 個以上認めた症例は, 順に 12 例 (50.0%) , 1 例 (1.9%) , 1 例 (4.0%) , 1 例 (7.7%) で, 悪性中皮腫が有意に多かった (p<0.001).
結論: オレンジ G 好性細胞は悪性中皮腫の体腔液で高頻度にみられ, オレンジ G 好性細胞を多く認めた検体は悪性中皮腫を疑い検索を進める必要があると考えられた.