日本臨床細胞学会雑誌
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症例
原発性肺髄膜腫の 1 例
田上 圭二中川 美弥松岡 拓也溝上 美江神尾 多喜浩
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2010 年 49 巻 2 号 p. 117-122

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抄録
背景 : 肺に発生する髄膜腫はきわめてまれである. 今回われわれは, 肺に発生した髄膜腫を経験したので, 細胞像を中心に報告する.
症例 : 54 歳, 男性. 突然の腹痛で他院を受診し, 虚血性腸炎の診断で保存的に治療された. 入院中の胸部 CT で右肺下葉に 1 cm 大の充実性腫瘤陰影を指摘された. 肺腫瘍の診断で当院に紹介され, 肺楔状切除術が行われた. 捺印細胞診では, 細長い紡錘形細胞が流れるように配列し, 時に渦巻状配列を認めた. 核は類円形または紡錘形で, 軽度の大小不同がみられ, 一部に核溝や核内偽性封入体を認めた. 組織学的に, 紡錘形腫瘍細胞が束状に錯走しながら増殖し, しばしば同心円状の渦巻状構造が散見され, 部分的に砂粒体や石灰沈着を認めた. 免疫組織化学的に腫瘍細胞はビメンチン強陽性, EMA, S-100 蛋白陽性, ケラチン一部陽性であり, 肺原発の移行性髄膜腫と診断された.
結論 : 肺腫瘍の細胞診標本において, 紡錘形細胞の増生や渦巻状配列を認めた場合, 髄膜腫も含めて検討する必要があると思われた.
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© 2010 公益社団法人 日本臨床細胞学会
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