日本臨床細胞学会雑誌
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症例
圧挫細胞診が診断に有用であった骨外性粘液型軟骨肉腫 cellular variant の 1 例
川島 麻里沙古田 則行星 利良神田 浩明平井 康夫
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2010 年 49 巻 5 号 p. 342-346

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抄録
背景 : 骨外性粘液型軟骨肉腫 cellular variant は組織学的に特徴的な像を欠くため診断が困難なことがある. 今回われわれは術前穿刺材料の圧挫細胞診で推定しえた骨外性粘液型軟骨肉腫 cellular variant の 1 例を報告する.
症例 : 69 歳, 男性. 左大腿部腫瘤を主訴に来院した. 術前穿刺材料の組織診は高悪性度多形肉腫であった. 圧挫細胞診では, 小型卵円形の核と短紡錘形の細胞質を有する腫瘍細胞が, 主に充実性の増殖を思わせる細胞集塊で出現していた. 一見, 未分化な肉腫様であったが, 腫瘍細胞の核にコーヒー豆様の深い核溝とわずかに粘液様ないし硝子様の間質様細胞間物質を軸とする腫瘍細胞の索状配列をみとめた. 以上より, 細胞診では骨外性粘液型軟骨肉腫 cellular variant を推定した. その後, 広範囲切除術が施行され, 組織診と遺伝子診断より診断が確定された.
結論 : 穿刺材料では病理組織診断が困難であった骨外性粘液型軟骨肉腫 cellular variant を, 圧挫細胞診ではコーヒー豆様の深い核溝という細胞所見を手がかりに推定することが可能であった.
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© 2010 公益社団法人 日本臨床細胞学会
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