抄録
背景 : 乏突起膠腫において OLIG2 蛋白の高発現あるいは 1p と 19q の遺伝子欠失が報告されている. 今回われわれは, 乏突起膠腫の 2 例の細胞所見, OLIG2 蛋白発現と組織所見を併せて報告する.
症例 : 症例 1 は 60 歳代の女性, 症例 2 は 50 歳代の男性である. ともにめまいや痙攣発作を主訴に来院し, 腫瘍摘出術が施行された.
症例 : 細胞診において症例 1, 2 の腫瘍細胞は裸核状で小集塊から孤在性に出現していた. 核は円形で顆粒状クロマチンを呈し, 一部には切れ込み状の核不整が認められた. ともに免疫細胞化学において腫瘍細胞は OLIG2 の高発現を示した. 症例 1, 2 の組織診は, 小型円形の腫瘍細胞が増生し perinuclear halo を伴っており, 免疫組織化学にて OLIG2 の高発現を示し Ki-67 index は 5%以下であった. Fluorescence in situ hybridization 法にて 1p19q 遺伝子の欠失を認め乏突起膠腫と診断した.
結論 : 細胞診における乏突起膠腫の組織型推定は, 小型円形核や背景の毛細血管, 免疫細胞化学において OLIG2 の高発現をみることにより可能であると考える.