日本臨床細胞学会雑誌
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原著
顎骨内穿刺吸引細胞診の細胞学的および病理組織学的検討
久山 佳代松本 敬孫 燕森川 美雪加藤 拓山本 浩嗣
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2013 年 52 巻 2 号 p. 101-106

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抄録

目的 : 顎骨内穿刺吸引細胞診の症例を解析し, 細胞および組織所見を比較検討した.
方法 : 顎骨内病変から穿刺吸引し, 病理組織学的に確定診断された 35 例とした.
成績 : 細胞学的に陰性 27 例 (77.1%), 陽性 2 例 (5.7%), 不十分な検体 6 例 (17.1%) であった. 陰性症例の推定診断は顎骨内嚢胞 9 例 (33.3%), 炎症 9 例 (33.3%), エナメル上皮腫 5 例 (18.5%), 角化嚢胞性歯原性腫瘍 (KOT) 4 例 (14.8%) であった. 顎骨内嚢胞の確定診断は術後性上顎嚢胞, 歯根嚢胞, 含歯性嚢胞が各 3 例であった. 陽性 2 例は扁平上皮癌であった. KOT と扁平上皮癌の正診率およびエナメル上皮腫と顎骨内嚢胞の特異度は 100%であった. 細胞学的に歯根嚢胞は, 炎症性背景に中心性類円形核を伴う多角形細胞が緩くシート状にみられた. 含歯性嚢胞は類円形核を有し, 軽度 N/C 大, 均一な立方上皮細胞が小集塊に出現した. KOT は角質片/絮状物質を背景に, 小型円形濃縮核を伴う類円形/歯原性細胞が散見された. エナメル上皮腫は軽度の炎症性背景に “裸核様” 歯原性小型細胞と突起を有する小型∼中型の多角形細胞の出現や扁平上皮化生など多彩であった.
結論 : 顎骨内穿刺吸引細胞診は有用であるため, さらなる鑑別診断や細胞所見の蓄積が必要である.

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