日本臨床細胞学会雑誌
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症例
Micropapillary pattern を有する子宮頸部腺癌の 1 例
梶山 明日香石井 恵理中川 美紀原 仁本田 智美池上 淳寺本 勝寛小山 敏雄
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2013 年 52 巻 3 号 p. 231-236

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抄録
背景 : micropapillary carcinoma は乳腺, 膀胱, 卵巣, 肺, 消化管等の臓器で続々と症例が報告されている癌組織型である. 今回われわれは, micropapillary pattern を有する子宮頸部腺癌の 1 例を経験したので報告する.
症例 : 87 歳, 女性. 不正性器出血を主訴に前医を受診し子宮頸部細胞診で adenocarcinoma と診断した. 子宮頸部組織診を行うと, 間質に囲まれた空間に癌胞巣が浮遊するような構造がみられ, 免疫組織化学染色からは上皮の極性の逆転を確認し, micropapillary pattern と判定しえた. 画像からは, 好発部位である肺癌や膀胱癌, 卵巣癌からの転移の可能性は乏しく子宮頸癌由来であると考えられた. 細胞診を再鏡検したところ, 少数の細胞が集塊をなし散在する所見が観察された. CT 検査では多発リンパ節転移を認め, 内診所見と画像検査から子宮頸癌 cT3bN1M1, Stage IVb と診断し, 放射線治療を施行するも, 呼吸状態の悪化により死亡した.
結論 : 子宮頸癌では, 細胞像の観察や組織診断時に予後不良な腺癌組織の特徴として micropapillary pattern を念頭におくことが必要と考えられた.
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© 2013 公益社団法人 日本臨床細胞学会
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