抄録
目的 : 子宮頸がん検診へのベセスダ式報告と HPV 検査の導入で, 精度向上や効率化が期待される. SIL 例で HPV 検査の有用性を検討した.
方法 : 2008 年 4 月∼2009 年 3 月の福島県子宮頸がん集団検診で LSIL 190 例, HSIL で CIN2 推測の 76 例, HSIL で CIN3 推測の 69 例の HPV 検査と組織診, 経過や転帰を比較した.
成績 : SIL の HPV 陽性率は 80%前後で, SIL 各群で差はなかった. LSIL で CIN3 以上の病変が 9 例 (4.7%) 検出され全例 HPV 陽性であった. HSIL, CIN2 推測例で CIN3 以上は 25 例 (32.9%) で HPV 検査結果による差はみられなかった. HSIL, CIN3 推測例で CIN3 以上は 41 例 (59.4%) で HPV 検査結果による差はみられなかった.
LSIL で HPV 検査結果に関係なく, また HSIL, CIN2 推測例で HPV 陰性群が, 異型細胞消失率が高かった.
結論 : SIL 例は HPV 検査陽性率が高く, HPV 検査による triage に向かないと思われる. LSIL 例の精検異常なし例や HSIL, CIN2 推測例でも HPV 陰性例では, 異型細胞消失例が多く, 早期の追跡終了の指標となる可能性がある.