日本臨床細胞学会雑誌
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原著
ベセスダシステム 2001 における ASC-US の細胞像
—従来法と液状検体 (ThinPrep) 法による比較検討—
小林 孝子元井 信岡田 美恵子吉藤 彩子和田 栄津子今川 真由美桒田 浩子坂根 潤一倉岡 和矢谷山 清己
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2013 年 52 巻 6 号 p. 526-534

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抄録
目的 : 意義不明な異型扁平上皮細胞 (ASC-US) の認知度は, 本邦では必ずしも高くない. われわれは, その ASC-US の実態を明らかにしようと試みた.
方法 : 多施設共同研究 (CCLBC) で得られた 11,039 検体中に見出された ASC-US について, 従来 (CP) 法と ThinPrep (TP) 法による比較を Split-sample 法にて行った. また, ASC-US 以上の陽性検体には Multiplex PCR 法でヒトパピローマウイルス (HPV) の型判定を行った.
成績 : ASC-US は, CP 法 1.8%, TP 法 1.1%と前者に有意 (p<0.0001) に多く, 高度扁平上皮内病変以上は 4.1%, 5.1%と後者が有意 (p<0.001) に高頻度であった. ASC-US の細胞像は, CP 法は乾燥, 変性による核異型の質的不足であり, TP 法はクロマチンの淡明化による核所見の質的不足であった. ASC-US の HPV 陽性率は CP 法 50.5%, TP 法 48.8%で, 52 型が最も多く認められた.
結論 : ASC-US の細胞判定では, 定義をよく理解し, CP 法と TP 法で観察所見に差異があることに留意することが肝要である.
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© 2013 公益社団法人 日本臨床細胞学会
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