抄録
背景 : 印環細胞様を呈した悪性リンパ腫は, 比較的まれな腫瘍である. 今回われわれは, 縦隔リンパ節に対する EBUS-TBNA で, 印環細胞様を呈した濾胞性リンパ腫の 1 例を経験したので報告する.
症例 : 68 歳, 男性. 数ヵ月前に摘出された顎下リンパ節で濾胞性リンパ腫と診断され, その後の治療前評価目的で行った PET/CT にて右気管傍リンパ節の腫脹と FDG 集積が認められた. 肺癌の可能性を否定するため, 千葉県がんセンターで気管分岐下リンパ節#7 に対して EBUS-TBNA が施行された. 細胞診標本では, 血性背景に核形不整を伴う小∼中型リンパ球様細胞や 2 核様くびれ細胞, 空胞を有する印環細胞様細胞が散在性にみられた. 組織診標本では, 著明な核形不整を伴う異型細胞が集簇してみられ, その多くが細胞質内空胞を有し, 印環細胞様を呈していた. 異型細胞は, 免疫組織化学染色にて CD10, CD20, BCL2 が陽性であった.
結論 : 本例は, 顎下リンパ節では印環細胞様を呈していなかったが, 気管分岐下リンパ節では印環細胞様を呈した濾胞性リンパ腫であった. このような症例の存在を認識し, 注意深く鏡検する必要があると考える.