抄録
背景 : ALK 陽性未分化大細胞型リンパ腫 (ALK 陽性 ALCL) は節外浸潤により, 臨床的に軟部腫瘍としてみつかることも少なくない. 若年齢層に好発するため鑑別診断は多岐にわたるが, 適切な治療選択には生検での細胞組織診断が極めて重要である.
症例 : 30 歳代、女性. 腰痛のため整形外科を受診. 画像で左後腹膜に 6.5 cm 大の不整形腫瘤がみつかり, 針生検が行われた. 針洗浄液細胞診では, 類円形∼多辺形の異型細胞が豊富に認められ, 横紋筋片への浸潤像もみられた. N/C 比が高いものから, 淡明で豊富な細胞質を有するものまであり, 後者では核も多形性に富み馬蹄形などを呈するいわゆる hallmark cell も認められた. 上皮様配列や対細胞化を示すものもあった. 組織でも, 細胞診と基本的に同様の異型細胞が, 壊死を伴いながらびまん性∼敷石状に増殖しており, 免疫組織化学的に CD30, ALK がびまん性に陽性であった.
結論 : ALK 陽性 ALCL の細胞診所見は, hallmark cell の出現や上皮様配列といった本腫瘍に特徴的な組織所見をよく反映している. 組織採取量が限られる針生検においては, 細胞診の併用が有用である.